声がれ(嗄声※かすれこえ)
症 状
声がれそのものは日常でときどき経験することです。声を出しすぎたり、かぜをひいたりしても声はかれます。この場合しばらくすれば治ります (数日~1週間程度)。ところが数週間経過しても、声がもとに戻らない場合があります。声がれを引き起こす疾患は多いです。
原因疾患
●喉頭炎:細菌やウイルスの感染。喫煙、飲酒などによる刺激。声の出しすぎ(職業:教師、保母など)。
●胃食道逆流症:胃の内容物が胃酸とともにのどに上がってきて、のどの粘膜を傷害する。
●良性声帯病変:ポリープ、肉芽、結節、ポリープ様声帯。
●癌や声帯麻痺:命にかかわることがありますので精密検査が必要です。
●加 齢:齢をとると声帯筋は萎縮し、粘弾性の低下により声はかれてきます。発声時に声帯の間に隙間があきます。
治 療
原因疾患にあわせて行います。
●声の衛生は大切です: 声を出しすぎない、大声でしゃべらない。禁煙やマスク、冬場に暖房器具を使う時は加湿器を使う。
●薬剤内服や薬剤吸入(ネブライザー)が中心です。ステロイド吸入療法はのどに直接薬剤が到達しますので簡単で、副作用が少ない治療です。
●喘息の患者さんに使う吸入ステロイド薬を応用して、ご自宅で吸入治療を行うこともあります。
●以上の治療を数ヶ月行っても改善しないときは手術が必要になることもあります。適切な病院をご紹介致します。